SPECIAL FEATURES 9
砂防水理模型実験
概要
近年、河川を遮る堰やダムなどの人工構造物が、魚類などの水生生物の移動や遡上の障害となることが指摘され、河川横断構造物の渓流環境への影響が懸念されています。また、上流域からの流出土砂が減少することで河床低下や海岸(砂浜)侵食が引き起こされ、「流砂系」という概念を盛り込んだ流域一貫の土砂管理が求められるようになっています。このことから、従来数多く建設された不透過型のコンクリート砂防堰堤ではなく、透過型砂防えん堤を可能な限り配置することを求められる傾向にあるのです。なお、「透過型砂防えん堤の計画・設計上の留意点(平成15年5月7日・国土交通省砂防部保全課保全調整)」では、土砂調節を目的とした堰堤は、数値シミュレーションあるいは水理模型実験による検証を経て形状を決定することが定められています。
提供サービス/技術内容
①2次元模型実験
堤体スリットや鋼製スリットの形状など、堰堤の基本形状を変更し、捕捉状況や水理量(水位、流速、流量)を調査し、砂防計画を満たす形状を提案します。
②3次元模型実験
上流河道、堰堤並びに下流河道を再現し、堰堤の捕捉効果だけでなく、上下河道全体の堆砂や洗堀など土砂挙動の検証も合わせて行い、堰堤形状並びに河道改修の検討などを行います。
主要実績
①2次元模型実験
タンコウの沢川、神社の川
②3次元模型実験
(スリット型堰堤)石切川砂防工事、東の沢砂防工事、
(暗渠型堰堤)玉川砂防
(基礎実験)土石流天然ダム(土木研究所委託業務)
2次元模型
堤体スリットや鋼製スリットの形状など、堰堤の基本形状を変更し、捕捉状況や水理量(水位、流速、流量)を調査し、砂防計画を満たす形状を提案します。
3次元模型
堰堤の捕捉効果の把握だけでなく、上下河道全体の堆砂や洗堀など土砂挙動の検証も合わせて行います。